この記事では、不安や対立を生む不健康なコミュニケーションが起こる理由を恋愛関係の場合を含めて解説しています。
恋愛に依存しがちな方、社会で自分の気持ちがうまく表現できずに孤独感のある方の不安の理由を言語化し整理した内容になっております。
相手が自分にとって嫌なことをしたときは嫌がり、
ありがたいことをしてくれたら喜ぶということを、
あなたはできているだろうか。
嫌なことをされても笑って受け流す場面、
ありがたいことがあっても冷たくしてしまう場面は誰しも経験があるだろう。
感情と逆の表現が生む「コミュニケーションのゆがみ」
そのような反対の行動をとる時、対話者とあなたのコミュニケーション空間の中にゆがみが生じる。
あなたが「嫌なこと(マイナスな感情)をされて笑った(プラスの表現) 」場合
対話者はその歪みを埋めるために、プラスの感情(喜び)を感じる場面で、マイナスな表現(冷たい態度)をする可能性があがる。
(あなたはこの時、私の弱さ故になめられているのかもしれないと感じるかもしれない)
反対もまたしかり、
あなたが「ありがたいこと(プラスな感情)をされたのに冷たくした場合(マイナスの表現) 」場合
相手はマイナスの感情(痛み)を受けてもプラス(好意を伝える)にふるまうのかもしれない。
(このような場面は、恋愛の依存関係でも見られる。)
このようなことはなぜ起こるのだろうか。
受けた感覚と表現に差が生じるのは、対話者を信頼していないか、恐れている場合である。
そもそもコミュニケーションを正しく取ろうとしていないか、恐れのあまりできないときにゆがみが生まれる。
恋愛関係の場合
恋愛関係の場合は、そこに自尊心が関係してくる。
相手と自分の間の関係が特別なように思われる現象は、自分の中で人と違う特別であろうと信じる項目が通じ合うことで生まれる。
日々他人と接する中で、他人と融合できないと感じる項目が次第に大きくなり核となってあなたをあなたと至らしめる自己認識となる。それはもちろん孤独感に繋がる。
その核は、自分と他人を分ける大切な認識である。だが、それゆえに大切にしすぎると自己愛が強い孤独な人間となっていく。
そのような人間は、コミュニケーションの間でゆがみが生じやすい。
自分は人とは違うという前提があるため、人から好意を受けても(プラスな感情)、融合することを恐れ、避けるため、冷たい態度を取る(マイナスな表現)。
そのような態度を取られた相手は、コミュニケーションに生まれたゆがみ故に、傷ついても(マイナスな感情)相手に行為を表現する(プラスな表現)。
そのようにコミュニケーションの磁場のエネルギーに影響される中で、理性的な感情はプラスの感情はプラスに表現しマイナスな感情はマイナスに表現したいという、原初の状態を求め続けることとなる。
この磁場のサイクルを断ち切るためには、対話をするどちらかが立ち止まり、感情を見つめなおす必要がある。
コミュニケーションの改善の仕方
繰り返されるコミュニケーションの磁場の中で、立ち止まり、感情を観察しよう。
冷たくされて傷ついた感情に目を向け、その人への表現を冷たくするか、
好意を素直に受け取り、心から喜ぶ表現を見せる。
そうすれば場には健全なコミュニケーションのエネルギーの流れが復帰していく。
さらに深く(欲の観察)
感情を無視して反対の表現をしてしまう、ゆがんだコミュニケーション空間から抜け出せない原因をもう少し掘り下げてみよう。
そこには欲が関係していることがわかる。
欲から生まれる行動、感情を観察感情すると以下のことが共通しているように思われた。
- 欲は過程(時間)を無視し何かを手に入れようとする行動を生む。
- 欲があると理性的な感情を無視するため、痛みに鈍感になる。
欲は現状を無視するための現実逃避的な感情なのである。
恋愛と欲の関係
恋愛と欲は隣り合わせのように思えるが、全く関係のないものである。
人間の健康的な恋愛は、理性と直感によって成り立つものだ。
その二つによって生まれた信頼をもとに、欲を見せあい許しあい安心することができるのだ。
人間の意識できる理性的な部分、意識が及ばない直観的な部分の両方を尊重する中で、他者との理性的なコミュニケーションの間に垣間見える直観的なつながりが二人を恋愛関係に導いていくこととなる。
その流れに気が付いていながら、それを欲として認識してしまうのは、自分の理性の厳格さ、直観の不可思議性に対して恐れを抱いているからだ。
それをどちらも受け入れる覚悟が見についたもののみ、依存や嫉妬のない、欲に支配されない恋愛ができるようになる。
あなたがもし依存的な恋愛に困っていたり、いくら考えても相手からアプローチが来ないときは、
自分の心を優先するといい。
あなたはそんな状況で本当に満足しているのだろうか。
自分の幸福を喜べるのか、感じてみるといい。
あなたが理性的な反応を返したその瞬間から、コミュニケーションの空間はゆがみのない本来の形に傾いていく。
最後に
心がむしばまれる不安定な人間関係に疲れていて、心豊かで誠実な会話を生む嘘のない関係を求めているなら
理性的に状況を判断し、自己の心を見つめ、表現する手段としてコミュニケーションを使い、相手にわかりやすい反応を返すことだ。
それほど真剣に相手と向き合う態度もまた、直感で伝わる愛情表現の一つになるだろう。


